早期発見でも根治が難しい膵癌

胆膵

膵癌

数ある癌の中で、早期発見が難しく、我々消化器内科医を悩ませているのが膵癌です。唯一の根治治療である手術の適応となるのは、新規に診断された患者の20%以下であるともいわれています。

また早期の段階では症状はなく、早期の段階で近隣の臓器やリンパ節に転移を起こすため、非常に予後が悪いです。

国立がん研究センターに癌種別の予後をまとめたデータ載っていたので、グラフにまとめてみました。

5年

ご覧のように膵癌は他の癌と比べても予後が悪いです。

ちなみに相対生存率とは、がんの死亡率からその他の死亡率を割り引いて評価した死亡率です。

胆道、肝臓も予後が悪いですね。次にStage I だけ比較してみます。

Stage I でも膵癌は5年後50%の方が亡くなってしまいます。

10年

10年になると更に予後の悪さが際立ちますね。

肝胆膵領域は絶望です。

10年後の生存率はStageIでも32.1%です。

手術症例

では手術症例ではどうでしょうか。

こちらも手術の難易度もあり肝胆膵領域は厳しい予後となっています。

膵癌は手術できるが2割。手術できても完治できるのも2割。

冒頭でも挙げたように手術ができるのが2割。手術できた症例でも10年後生存率17.6%であり、膵癌になってしまったら完治するのはなかなか難しいというのが現状のようです。

以上になります。参考にした国立がんセンターのURLを掲載しておきます。

記事をご覧いただきありがとうございました。

全がん協加盟がん専門診療施設の5年生存率、10年生存率データ更新 グラフデータベースKapWeb更新
国立がん研究センターのホームページです。

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