ピロリ菌3次除菌

ピロリ菌の一次除菌、二次除菌と失敗してしまったとき三次除菌はどのようにしたらよいのでしょうか

三次除菌についてまとめてみました。

まず大前提として3次除菌は自費になるので患者さんに説明しておくことが重要です。診察薬代だけではなく除菌後の尿素呼気試験まで自費になると説明しましょう。(おおまかに2万円程度でしょうか)

今回は下記の論文を参考にしました。

NCBI - WWW Error Blocked Diagnostic

下図に示されるように日本や韓国、中国などの東アジアは胃がんのピロリ菌の罹患率はそれほどまで高いというわけではありませんが発生率は高くなっています。

日本ではピロリ菌=胃がんという考えが一般的ですが、小医が外来で、アメリカ人など海外にピロリ菌の話をしてもピロリ菌自体を知らない人も多いです。

ちなみに沖縄のピロリ菌の株は東アジアの株とはちがい、CagAなどの違いから毒性が低く、沖縄は胃がんの患者さんが少ないです。

まず抗菌薬の感受性ですが、日本はクラリスロマイシンの耐性が高度ですが、MNZはそれほど高くないようです(下図参照)。それでもMNZ+AMPC+PPI(P-CAB)のレジメンで除菌失敗される方もいます。

3次除菌のレジメンとして下記が紹介されています

キノロンを含んだレジメン

リファブチンを含んだレジメン

アモキシシリンの高用量治療

いずれにしてもAMPCがキードラックにはなります。よく使う処方としては下記になります。

AMPCが使える場合は LPZ 60mg/2X(or P-CAB 40mg/2X)+AMPC 1500mg/2+STFX200mg/2X 

AMPCがアレルギーなどで使えなければEPZ 40mg/2X(or P-CAB 40mg/2X)+MNZ 500mg/2+STFX200mg/2X 

P-CAB(タケキャブ)は他のPPIより胃内のpHを上げるまでの時間がかなり短いので、除菌の際の制酸剤はP-CAB一択でしょう。

*当記事はエビデンスに基づいた情報を提供することを目的としておりますが臨床への応用は自己責任にてお願いします。ご意見などあればコメントいただけますと幸いです。

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